戦略 立案 英語」でグローバルビジネスを加速させる! 課題解決の羅針盤

「グローバル市場へ打って出たい。でも、戦略立案を英語で行うのは、正直ハードルが高い…」

もしあなたが今、そう感じているなら、その感覚はとても自然なものです。英語での戦略立案は、まるで海図も羅針盤も持たずに、未知の大海原へ漕ぎ出すような不安を伴いますよね。言葉の壁、文化の壁、そして飛び交う専門用語。乗り越えるべき波は、決して低くはありません。

はじめまして。株式会社サードパーティートラストでWEBアナリストを務めております。私はこれまで20年以上にわたり、ECサイトから大手メディア、BtoB企業まで、あらゆる業界の「Webサイトの課題」をデータと共に解決してきました。

この記事でお伝えしたいのは、単なる英単語やフレーズ集ではありません。私が現場で培ってきた経験と、当社が掲げる「データは、人の内心が可視化されたものである」という哲学に基づき、グローバルビジネスを成功させるための「思考法」そのものをお話しします。言葉の壁を越え、ビジネスの本質を掴むための羅針盤を、あなたにお渡しできれば幸いです。

なぜ「戦略立案を英語で」考える必要があるのか?言葉の裏にあるビジネス文化を読み解く

まず、なぜ「戦略立案」を英語で考える必要があるのでしょうか。それは、単に海外の取引先と話すためだけではありません。グローバルビジネスの舞台では、戦略に関する議論の「OS」そのものが英語圏のビジネス文化をベースにしているケースが多いからです。

ハワイの風景

例えば、「戦略立案」を指す言葉一つとっても、そのニュアンスは様々です。

  • Strategic Planning: 最も一般的で、企業の長期的・全体的な方向性を定める、まさに「戦略」そのものを指します。
  • Strategy Development: より具体的な戦略を「構築」していくプロセスに焦点が当たります。
  • Tactical Planning: 戦略を実行するための、より短期的で具体的な「戦術」レベルの計画を意味します。

以前、あるクライアントが海外進出を目指した際、社内では「Strategic Planning」という言葉で壮大なビジョンを語っていました。しかし、現地のパートナー企業は「Tactical Planning」、つまり「で、具体的に最初の3ヶ月で何をするのか?」というレベルの話を求めていたのです。この認識のズレが、プロジェクトの初期段階で大きなつまずきとなりました。

このように、言葉の選択一つで、議論のレイヤーが大きく変わります。日本語の感覚のまま直訳するのではなく、相手がどのレベルの話を求めているのかを理解し、言葉を使い分けること。これが、グローバルな舞台で的確なコミュニケーションをとるための第一歩なのです。

戦略立案の基本ステップ:成功への航路を英語で描く

戦略立案は、ビジネスという航海に欠かせない「海図」を作成する作業です。この海図がなければ、私たちはどこに向かっているのか分からなくなり、貴重な時間とリソースという燃料を無駄に消費してしまいます。

この海図作り、つまり戦略立案のプロセスは、大きく5つのステップに分かれます。ここでは、それぞれのステップで核となる英語表現と、私たちがデータ分析の現場で何を重視しているかをお話しします。

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  1. Situation Analysis(現状分析): 自分たちが今どこにいるのか?
  2. Goal Setting(目標設定): どの島(ゴール)を目指すのか?
  3. Strategy Formulation(戦略策定): どのような航路で進むのか?
  4. Action Plan(実行計画): 誰が、いつ、どの船を動かすのか?
  5. Evaluation(評価・改善): 航海は計画通りか?修正は必要か?

私がこれまでのキャリアで見てきた多くのケースでは、特に最初の「Situation Analysis(現状分析)」が驚くほど軽視されています。気持ちが逸り、いきなり「Goal Setting(目標 設定)」から始めてしまう。しかし、現在地が分からなければ、正しい方角など分かりようがないのです。まずは、足元を固めることから始めましょう。

Step 1. 現状分析(Situation Analysis):データで現在地を正確に測る

戦略立案の土台となるのが、現状の正確な把握です。ここでは代表的な2つのフレームワークを、私たちがどう活用しているかの視点を交えてご紹介します。

SWOT分析 (Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats)
これは、自社の内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を整理する手法です。英語で議論する際は、"Our key strength is our established brand recognition."(我々の主要な強みは、確立されたブランド認知度です)のように、客観的な事実を簡潔に表現します。

ここで多くの人が陥るのが、分析が「感想」で終わってしまうことです。「顧客との関係性が強い(強み)」と言うのであれば、その根拠となるリピート率やLTV(顧客生涯価値)のデータを提示できなければ、それはただの希望的観測に過ぎません。私たちは必ず、主張の裏付けとなるデータをセットで用意します。

PESTLE分析 (Political, Economic, Social, Technological, Legal, Environmental)
こちらは、自社ではコントロールできないマクロな外部環境を多角的に分析するフレームワークです。例えば、"Fluctuations in currency exchange rates (為替レートの変動)" はEconomic(経済的)要因として無視できません。

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特にグローバル展開では、このPESTLE分析が生命線となります。法規制(Legal)や環境問題(Environmental)への意識は国によって全く異なります。私たちはWebサイトのアクセスデータやSNS上の言及を分析し、各市場の「空気感」や価値観の変化を定量的に捉えることで、見えないリスクを回避するお手伝いをしています。

Step 2. 目標設定(Goal Setting):SMART原則で「絵に描いた餅」を終わらせる

現在地が分かったら、次はいよいよ目指すゴールを定めます。ここで絶対に欠かせないのが、世界中のビジネスで共通言語となっている「SMART原則」です。

  • S (Specific): 具体的か?(「売上を伸ばす」ではなく「新規顧客経由の売上を20%増やす」)
  • M (Measurable): 測定可能か?(その進捗を測るKPIは何か?)
  • A (Achievable): 達成可能か?(現実離れした目標は、チームの士気を下げるだけです)
  • R (Relevant): 関連性はあるか?(会社の全体戦略と整合性が取れているか?)
  • T (Time-bound): 期限はあるか?(「いつまでに」達成するのか?)

かつて、あるクライアントに非常に高度な分析指標をKPIとして提案したことがあります。私としては画期的な手法のつもりでしたが、現場の担当者の方々には複雑すぎて浸透せず、誰もその数値を追いかけなくなってしまいました。これは私の大きな失敗です。

この経験から学んだのは、優れた目標とは、シンプルで、誰もがその意味を理解し、自分の仕事と結びつけられるものだということです。目標設定は、経営陣の自己満足であってはなりません。チーム全員が同じゴールを見て、ワクワクできる羅針盤を作ることが何より重要なのです。

Step 3 & 4. 戦略策定(Strategy Formulation)と実行計画(Action Plan)

ゴールが決まれば、そこへ至る航路(戦略)と、具体的な操船計画(実行計画)を立てます。ここでは、4P(Product, Price, Place, Promotion)や3C(Company, Customer, Competitor)といったフレームワークが議論の整理に役立ちます。

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実行計画で重要なのは、「誰が(Who)」「何を(What)」「いつまでに(When)」を明確にすることです。英語の会議では、"So, the action item is: John will draft the proposal by this Friday."(つまり、アクションアイテムは、ジョンが今週金曜までに提案書を起草する、ですね)のように、必ず最後に確認し、議事録に残す文化があります。この一手間が、後の「言った・言わない」問題を劇的に減らします。

私たちの仕事は、データから戦略のヒントを見つけ、具体的なアクションに落とし込むことです。例えば、あるクライアントのECサイトで、特定の国からのアクセスは多いのに購入に至らない、というデータがありました。深掘りすると、その国で主流の決済方法が導入されていなかったのです。

私たちは「決済方法の追加」という、コストが低く、改善効果が大きい施策を提案。結果、その国からのコンバージョン率は数ヶ月で3倍以上に跳ね上がりました。派手なデザイン変更より、たった一つの機能追加がビジネスを大きく動かしたのです。これこそ、データドリブンな戦略策定の醍醐味です。

戦略を前進させる英語コミュニケーション術:3つの心構え

どんなに優れた戦略も、チームに伝わり、実行されなければ意味がありません。特に文化の異なるメンバーと働く上では、いくつかの心構えが必要です。

1. 「完璧な英語」より「明確な意思」を
多くの日本人が「うまく話せない」と発言をためらいますが、ビジネスの現場で求められるのは流暢さではありません。大切なのは、多少つたなくても、自分の意見や提案の意図を明確に伝えようとする姿勢です。結論から話し(PREP法)、図やデータを示すなど、言葉以外で補う工夫も有効です。

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2. 「なぜ?」を常に問いかける
海外のビジネスパーソンは、提案に対して「Why?(なぜそう言えるの?)」と根拠を問うことが非常に多いです。感覚や慣習ではなく、データや事実に基づいて「Because...(なぜなら…)」と説明できる準備が、あなたの発言に説得力をもたらします。

3. 「沈黙」は誤解の元
日本の会議では「沈黙は賛成」と受け取られることもありますが、多国籍なチームでは「意見がない」「理解していない」と見なされるのが一般的です。分からなければ "Could you elaborate on that?"(その点について詳しく説明していただけますか?)と質問する、賛成なら "I agree with that point." と明確に意思表示する。この積極的なリアクションが、円滑な信頼関係を築きます。

戦略立案で陥りがちな「失敗の海路」とその回避策

20年のキャリアで、残念ながら数多くの戦略が暗礁に乗り上げるのを見てきました。その多くには共通の原因があります。同じ轍を踏まないために、3つの代表的な失敗例を知っておいてください。

失敗例1:データに基づかない「勘ピューター」航海
最も多いのが、市場や競合の調査を怠り、「過去の成功体験」や「勘」に頼って意思決定してしまうケースです。特に海外市場では、日本の常識は全く通用しません。思い込みを捨て、まずはデータを虚心坦懐に眺める。それがすべての始まりです。

失敗例2:組織の壁を恐れる「忖度」戦略
「この課題にメスを入れるべきなのは分かっている。でも、あの部署が反対するだろうから…」
かつての私も、この「忖度」によって本質的な提案を引っ込め、結果的にクライアントの成長を1年遅らせてしまった苦い経験があります。アナリストの仕事は、耳の痛い真実をデータと共に伝えること。もちろん、相手の状況を無視した正論は無価値ですが、ビジネスの根幹に関わる課題からは、決して逃げてはなりません。

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失敗例3:目標が「お題目」で終わる
立派な戦略プランが作られたものの、誰もそれを自分の仕事として捉えておらず、いつの間にか忘れ去られてしまう。これは、目標設定が現場に「腹落ち」していない証拠です。SMART原則はもちろん、なぜこの目標を追いかけるのか、その先にある未来(ビジョン)を、リーダーが自分の言葉で熱く語れるかが鍵を握ります。

明日からできる、グローバル戦略への第一歩

さて、ここまで長い航海にお付き合いいただき、ありがとうございました。「戦略立案を英語で」というテーマは、壮大で難しく感じられたかもしれません。

しかし、難しく考える必要はありません。大切なのは、言葉の壁の向こう側にある「ビジネスの本質」を捉えようとすることです。データという万国共通の言語を武器に、相手の文化を尊重し、論理的に対話を重ねていく。その姿勢こそが、グローバルビジネス成功の何よりの原動力となります。

もし、この記事を読んで、「自社の現状をデータで客観的に見てみたい」「戦略立案の壁打ち相手が欲しい」と感じられたなら、それは次なる成長への大きな一歩です。

明日からできることは、まずあなたのチームの「当たり前」を疑ってみること。「なぜ、このやり方がベストだと考えられているのか?」その根拠をデータで探してみてください。きっと、そこから新しい発見があるはずです。

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もちろん、私たち株式会社サードパーティートラストは、いつでもあなたの航海のパートナーとなる準備ができています。データ分析から戦略策定、そして組織が動くための仕組み作りまで、20年の経験を総動員して、あなたのビジネスが世界の海で輝くためのお手伝いをさせていただきます。どんな小さなお悩みでも構いません。まずはお気軽にお声がけください。

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