「Webサイトのアクセス数は増えたのに、なぜか売上は横ばいのままだ…」「チームで頑張っているはずなのに、成果が伴わない…」
もしあなたが今、日々の努力と成果の間に見えない壁を感じているのなら、それは航海図を持たずに大海原へ漕ぎ出している状態なのかもしれません。闇雲に施策を打ち続けるのではなく、確かな羅針盤を手に、ビジネスを次のステージへ進めたい。そう願うのは当然のことです。
こんにちは。株式会社サードパーティートラストでWEBアナリストを務めております。20年以上にわたり、ECサイトからBtoB、大手メディアまで、あらゆる業界の「Webサイトの課題」と向き合い、データという声に耳を傾け続けてきました。
この記事では、単なる用語解説に留まらず、多くの企業がなぜ指標設定でつまずいてしまうのか、そして、どうすれば本当にビジネスを動かす「成果 指標 考え方」を身につけられるのか、私の経験を交えながら、あなたと一対一で向き合うように、じっくりとお話ししていきます。
なぜ、あなたの「成果指標」は機能しないのか?よくある3つの落とし穴
「KPI 設定しよう」という掛け声とともに、たくさんの指標が並んだスプレッドシートが作られる。しかし、数ヶ月後には誰もそのシートを見なくなる…。これは、私がこれまで何度も目にしてきた光景です。なぜ、せっかく定めた成果指標が形骸化してしまうのでしょうか。

その原因は、指標そのものではなく、その裏側にある「考え方」に潜んでいます。
一つ目の落とし穴は、「指標のコレクション化」です。アクセス数、直帰率、滞在時間、SNSのフォロワー数…。あれもこれもとKPIを設定しすぎた結果、結局どれが一番重要なのか分からなくなり、現場は数字を報告するだけで疲弊してしまいます。これでは、改善アクションには繋がりません。
二つ目は、「KGIとKPIの断絶」です。KGI、つまり最終ゴールが「売上30%アップ」なのに、KPIが「ブログの更新頻度を週3回にする」といった設定になっているケース。もちろん無関係ではありませんが、そのブログ記事が本当に売上に貢献しているのか、因果関係が曖昧です。これでは、いくらKPIを達成しても、山頂であるKGIにはたどり着けません。
そして三つ目が、最も根深い問題かもしれません。「誰のための指標か」という視点の欠如です。かつて私も、画期的な分析手法を開発し、その複雑なレポートをクライアントに提出したことがありました。しかし、担当者以外はそのデータの価値を理解できず、結局ほとんど活用されませんでした。データは、受け手が理解し、行動に移せて初めて価値が生まれる。この当たり前の事実を、痛感した経験です。
KGIは「山頂」、KPIは「信頼できる登山ルート」
では、どうすれば機能する指標を設定できるのでしょうか。私はよく、KGIとKPIの関係を「登山」に例えてお話しします。

KGI(Key Goal Indicator)は、あなたが目指すべき「山頂」そのものです。これは、ビジネスにおける最終的な成功を定義する、たった一つの、誰が見てもわかる旗印です。「年間売上1億円達成」「利益率15%改善」「新規顧客のLTV(顧客生涯価値)を20%向上」など、具体的で、ビジネスの根幹に関わる目標でなければなりません。
一方で、KPI(Key Performance Indicator)は、その山頂へ至るための「登山ルート」であり、一歩一歩の足元を照らす「道標」です。ルートが険しすぎたり、方角が間違っていては、山頂にはたどり着けません。KPIは、KGI達成までのプロセスを分解し、具体的なチェックポイントとして機能する指標なのです。
KGI設定の極意:「絵に描いた餅」で終わらせないために
魅力的な山頂(KGI)を描くことは大切です。しかし、それが現実からかけ離れた「絵に描いた餅」であっては、チームの士気を下げるだけです。かつて、あるクライアントの固い社風や予算規模を無視して「理想論」ばかりを提案し続け、何も実行されなかった苦い経験があります。
そこで重要になるのが「SMARTの法則」です。あなたのKGIが、以下の5つの要素を満たしているか確認してみてください。
- Specific(具体的か):誰が読んでも同じ解釈ができるか?
- Measurable(測定可能か):数字で客観的に測れるか?
- Achievable(達成可能か):現実的に目指せる範囲か?
- Relevant(関連性があるか):事業全体の戦略と合致しているか?
- Time-bound(期限が明確か):いつまでに達成するのか?
「売上を増やす」ではなく、「Webサイト経由の売上を、来期末までに前期比120%にする」と設定する。こうすることで、KGIは初めて、具体的な行動計画を立てるためのスタートラインになるのです。

KPI設計の核心:「行動を変える」指標の見つけ方
信頼できる登山ルート(KPI)は、どう設計すればよいのでしょうか。ここでの核心は、KPIを「観察する数字」ではなく、「次の一歩を教えてくれる数字」と捉えることです。
例えば、KGIが「Web経由の売上120%UP」なら、その売上は「サイト訪問者数 × コンバージョン率 × 顧客単価」という式で分解できます。この3つが、まず最初のKPI候補になります。そして、「コンバージョン率が低い」という課題が見つかれば、さらに「カート投入率」「購入完了率」といった、より具体的なKPIにドリルダウンしていくのです。
大切なのは、見栄えの良い施策に飛びつかないこと。以前、あるメディアサイトで、どんなにリッチなバナーを設置してもサービスサイトへの遷移率が上がらない、という課題がありました。そこで私が提案したのは、記事の文脈に合わせた、ごく自然な「テキストリンク」への変更でした。結果、遷移率は15倍に跳ね上がったのです。「簡単な施策ほど正義」。これは、コストをかけずに大きな改善を生むための、私の信条の一つです。
KPIは、私たちの固定観念を打ち破り、本当に効果のある打ち手へと導いてくれる羅針盤なのです。
「伝わるデータ」が組織を動かす。Web解析活用の真髄
KGIとKPIという羅針盤を手に入れても、それを使いこなせなければ意味がありません。ここでWeb解析、特にGoogle Analyticsのようなツールが活躍します。しかし、多くの企業が「とりあえず導入しただけ」で、データの海で溺れてしまっています。

データ分析の目的は、綺麗なレポートを作ることではありません。データからユーザーの内心を読み解き、ストーリーとして語り、次のアクションに繋げることです。例えば、離脱率が高いページを見つけたら、「なぜ、ユーザーはここで離れてしまうのだろう?」と問いを立てる。仮説に基づきABテストを実施し、デザインやキャッチコピーを大胆に変えてみる。その結果、コンバージョン率 改善すれば、それはデータが導き出した「正解」の一つです。
重要なのは、PDCAサイクルを回し続けること。そして、その結果を「誰にでも伝わる形」で共有することです。専門用語を並べたレポートではなく、「この改善で、これだけのお客様がゴールに近づきました」というシンプルな報告が、経営層や他部署のメンバーを動かし、組織全体の推進力となるのです。
明日からできる、成果につながる「指標設定」の第一歩
ここまで、成果指標の考え方について、私の経験を交えながらお話ししてきました。理論は分かったけれど、さて、どこから手をつければいいのか。そう感じているかもしれませんね。
もしあなたが本気でビジネスを動かしたいと願うなら、明日からできる最初の一歩は、たった一つです。
まず、PCを閉じて、一枚の紙とペンを用意してください。そして、あなたのビジネス、あるいはあなたのチームが「1年後にどうなっていたら最高か」を、たった一つの文章で書き出してみてください。それが、あなたのKGIの原型です。

次に、「その最高の状態を阻んでいる、最大の壁は何か?」を一つだけ、考えてみてください。その壁こそが、あなたが最初に計測し、改善すべきKPIのヒントになります。
このシンプルな問いから、すべては始まります。データは、人の内心が可視化されたもの。私たちは15年間、その声に耳を傾け、数々のビジネスの航海図を描いてきました。もし、あなたが描いたKGIという山頂へのルートが見えない、あるいは、どの壁から壊すべきか迷っているのであれば、一度私たち専門家の話を聞いてみませんか。
あなたのビジネスという船が、確かな羅針盤を手に、力強く前進するためのお手伝いができれば、これほど嬉しいことはありません。
まずは無料相談から、あなたの現状と目指す未来をお聞かせください。ご連絡を心よりお待ちしております。